青史出版 |
二万年の日本絵画史
にまんねん の にほんかいがし
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宮島新一著 |
A5判 366頁
定価 5,500円(税込)
ISBN978-4-921145-45-3 C1070 |
2011年9月10日発行 |
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日本絵画史を従来のように外国からの影響という視点ではなく、独自性という観点から 見つめなおした画期的通史。日本の絵画は縄文時代から現代に至るまで、宗教美術と世 俗美術とが対立するのではなく、手を携えつつのびのびと展開した。こうした世界でもま れな特質を造形面だけに注目するのではなく、宗教や思想を含めた大きな歴史の流れ の中に位置づける。
美術史本来の役割の復興を目指す意欲的な書。
【目次より】
序 言
第一章=縄文時代 美意識の源流
第二章=弥生時代 情景描写の始まり
第三章=古墳時代 文様の中に埋もれる絵画
第四章=七世紀 国際化の波
第五章=八世紀 東アジアにおける美術の宝庫
第六章=九世紀 和様化の始まり
第七章=十世紀 国風の成立
第八章=十一世紀 平安朝絵画の二つの潮流
第九章=十二世紀 世俗絵画の興隆と肖像画の勃興
第十章=十三世紀 人間観察の深化
第十一章=十四世紀 日本美術の分水嶺
第十二章=十五世紀 大和絵と水墨画の成熟と融合
第十三章=十六世紀 美術の全国的な広がり
第十四章=十七世紀 和様の圧倒
第十五章=十八世紀 絵画の黄金時代
第十六章=十九世紀 西洋絵画との葛藤
第十七章=二十世紀 日本美術史無用の時代
終 章 中国絵画とここが違う
あとがき
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【毎日新聞・評】
五味文彦氏 (2011/10/2)
本書を手に取って思ったのは、次の三つ。一つは縄文・弥生・古墳という時代
の絵画がどう捉えられているのだろうかという興味、二つには長い歴史を通じ
てみることで絵画の歴史に新たな視点が生まれてきているのかという関心、そ
して三つ目に現代の絵画がどう把握されているのだろうかという興味であった。
中世の絵画史を専門領域としてきた著者は、「『優美』さこそが一貫した日本
美術の目標であった」と語る、古典的なタイプに属する美術史家であるだけに、
一つ目の点は、新たな冒険であり、二つ目はこれまでの研究を大きな流れか
ら探ろうという野心的な試みであり、三つ目はこれまで見てきた絵画にたいす
る率直な感想の表明ということになろう。
(中略)
著者は「あとがき」で、「ほどのよさ」、「洗練と素朴の間」などの微妙な味わいを
大切にするのが日本文化の独自性であって、極限への挑戦、思想の造形化な
どは日本の美術史には不似合いであるとさえ説いているが、その指摘からは
美術界や美術史が直面している困難さが浮かび上がってくる。
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宮島新一 = みやじま しんいち
昭和43年京都大学文学部卒業、昭和45年同大学院終了。
文化庁主任文化財調査官、奈良国立博物館学芸課長、東京国立文化財研究所美術部長、
東京国立博物館企画部長、九州国立博物館副館長、山形大学教授等を歴任。文学博士。
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