青史出版

日本古代宮都史の研究

にほんこだい きゅうとし の けんきゅう

橋本義則著
A5判 512頁

定価 10,780円(税込)

ISBN978−4−921145−63−7 C3021


第20回 紫式部学術賞 受賞
(一般社団法人 紫式部顕彰会 主催)
2018年9月20日発行
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近年、発掘調査の進展もあって、古代宮都の研究は活況を呈しており、更に深化している。本書はそうした成果をもとに、藤原京・平城宮・恭仁宮・紫香楽宮・平安京など古代宮都の歴史的変遷を辿りその実態を解明する。また、古代貴族の営墓を探り律令国家における葬地の展開を考える。国内史料にとどまらず東アジア全体の広い視野から日本の宮都を考える待望の書。


【目次より】

 第一部 日本古代宮都史の研究

 
章 藤原京造営試考−藤原京造営史料とその京号に関する再検討−
   章 平城宮内裏の歴史的変遷 
   章 恭仁宮の二つの「内裏」
   章 紫香楽宮攷
   章 平安京の成立と官僚制の変質
   章 平安宮の中心−中院と縁の松原−
   章 平安宮・平安京の構造と変貌−古代都城から中世都市へ−
   章 平安京は「たいらのみやこ」か?
   章 日本古代宮都の獄−左右獄制の成立と古代宮都の構造−
  第一〇章 史料から見た嵯峨院と大覚寺
         −嵯峨院の成立から大覚寺の再興まで−

 第二部 律令国家・宮都と喪葬・葬地

  第一一章 律令国家と喪葬
  第一二章 古代貴族の営墓と「家」
       −『延喜式』巻二一諸陵寮陵墓条所載「陵墓歴名」の再検討を
中心に−
  第一三章 日本古代宮都における葬地の成立と展開
  
 あとがき/索 引


〔紫式部学術賞授賞理由より−抜萃〕
(
前略)最新の調査成果である恭仁宮での二つの「内裏」に着想を得て、聖武天皇の内裏と退位した天皇である元正太上天皇の居所が並立したとの斬新な説を提示した。この研究を基礎に、さらに、長岡宮や平安宮中枢部の施設配置を分析し、孝謙太上天皇以降、退位した天皇の宮殿が内裏と並置されることを初めて指摘した。奇しくも今年は、今上天皇の譲位によって、今まさに二代の天皇の居所が話題になっている。その根源を知る貴重な研究成果が提示されたのである。


※『日本歴史』第855号(2019年8月)で紹介されました−北村優季氏
  橋本義則 = はしもと よしのり          

1954年 石川県生れ

1984年 京都大学大学院文学研究科博士後期課程指導認定退学

    前・ 山口大学人文学部教授 博士(文学)

主要著書

 『平安宮成立史の研究』(塙書房)、『東アジア都城の比較研究』(京都大学学術出版会)、
 『古代宮都の内裏構造』(吉川弘文館